馬と
いのちと
わたしたちと。
プログラム概要と流れ
※集ったメンバやその場の流れ、天候等に合わせて、内容は適宜逸脱・変更する可能性があります
リジェネラティブ・リーダーシップ(Giles HutchinsとLaura Stormによる共著書, 現在邦訳中)は、自然の叡智に学び、生命の摂理に根ざしたシステム変容を促すための新たなリーダーシップのパラダイムです。人が他の生き物や地球環境と共に繁栄していくリジェネラティブな未来を迎え入れるための在り方とビジネス実践の知恵を提示しています。
馬たちにいざなわれ、
ひらかれていく世界への入り口
ふっと立ち現れては、消えていく、
忘れかけていた世界への入り口。
クイーンズメドウが長い歳月をかけて育んできた馬との関係性には、現代社会が抱える様々な分断や対立を乗り越え、幾層にも重なる不安や怖れ、支配と非支配の連鎖から抜け出す大切な道標があるように思います。
そんな世界との関わり方を日常と切り離すことなく、一人ひとりが自身を取り巻く生態系へと取り戻していくことができれば、新たなかたちで暮らしやビジネス、経済や教育やコミュニティを育み、人が他の生命と共に繁栄していくリジェネラティブな未来への糸口をひらいていくことができるかもしれません。
馬と人とが、
ただ、共にある。
早池峰山の南側、遠野盆地の北側に位置するクイーンズメドウ・カントリーハウスは、広葉樹を主とする森と三本の小沢を抱える約12ヘクタールの里山です。
「馬と人とが共にある」ということをテーマに、人が優位にたって馬を支配するのではなく、いのちといのちの出会いを通じて共に生きていくためのあり方や身体コミュニケーションを探究してきた場所です。信頼と優しさと、時には毅然とした応答に溢れた、人と馬との豊かな関係性が育まれてきました。
馬と共に深める
リジェネラティブ・リーダーシップ
ただ、共にあること。
意図や期待を持たないゼロの身体。
本プログラムでは、馬たちとの時間に身を委ねながら、生命の摂理に根ざしたシステム変容を促すリジェネラティブ・リーダーシップの在り方を共に探究します。
初夏のエネルギー溢れる美しい遠野の風景や馬たち、そこに集う人や虫や鳥や森や風や草木や風土、あるいは生態学的な諸関係に身を委ねながら、新たに世界に出会い直していく。
そんな旅路をご一緒したい方のご参加をお待ちしています。
滞在先や食事について
【クイーンズメドウについて】
クイーンズメドウ・カントリーハウス(岩手県遠野市)は、広葉樹を主とする森と3本の沢からなる12ヘクタールの里山の中にあり、ゲストルームを5部屋擁する実験住宅。ながく遠野で受け継がれてきた馬との暮らしを、今の時代の中で再構築しながら、馬と人や、自然と人との境界をほどいていければと願い1999年より活動を続けている。森の中で馬たちと人々が暮らす景色を繋いでいくことで、現代社会での経済活動や労働観に対して、新たな在り方を提示することを目指す。http://qmch.jp
【お食事について】
クイーズメドウで暮らす馬たちは「水・草・塩」のみで毎日をパワフルに過ごしています。人間たちも同じように、なるべくお野菜・植物性のものを中心とした食事を現地の料理人さんや施設の方にご用意頂きます。また、山上げでは地元のお母さんに郷土料理の「煮染め」をいただきますのでお楽しみに!
今回のプログラムは、リジェネラティブ・リーダーシップを頭で学ぶだけでなく、馬と共にある暮らしを長らく紡いできたクイーンズメドウという場所や馬たちとの出会いを通じた身体実感の中で、それぞれにとってのリジェネラティブ・リーダーシップに出会い直すための探究型プログラムです。
※リジェネラティブ・リーダーシップに関する事前知識などは不要です。関連資料は参加者に事前に共有されますので、初めての方も安心してご参加ください。
また、クイーンズメドウでは、季節のめぐりと共に、蒸し暑い夏季は高原に馬をあげ(山上げ)、涼しくなると歩いて一緒におりてくる(山下げ)を行なっています。今回のプログラムでは、現地スタッフの方々と共に山上げをご一緒させていただきます。遠野の美しい初夏の風景に包まれながら、約13kmほどの道のりを馬たちと共に歩くまたとない機会です。
プログラムナビゲーター
小林 泰紘(こばやし やすひろ)
一般社団法人 Ecological Memes 共同代表/発起人
ハヤチネンダ Studios 企画ディレクター
世界28ヶ国を旅した後、社会的事業を仕掛ける起業家支援に従事。その後、個人の生きる感覚を起点とした事業創造や組織変革を幅広い業界で支援したのち、独立。現在は、循環・再生型社会(リジェネレーション)をテーマにした未来ビジョンや事業づくり、リーダーシップを伴奏・媒介するカタリスト・共創ファシリテーターとして活動。
座右の銘は行雲流水。趣味が高じて通訳案内士や漢方・薬膳の資格を持つ。菌と共に暮らす ぬか床共発酵コミュニティ主宰。株式会社BIOTOPE 共創パートナー。一般社団法人 EcologicalMemes 代表理事。『リジェネラティブ・リーダーシップ』を日本に伝え、実践・深化させるためのリーダーシッププログラムや翻訳活動を展開中。
今井 航大朗(いまい こうたろう)
一般財団法人ハヤチネンダ 代表理事
大学卒業後、東京都四谷にあるホテルに数年勤務。加速していく消費的な時間や空間の在り方に疑問を感じ、2016年より岩手にて馬と暮らす実験住宅「クイーンズメドウ・カントリーハウス」プロジェクトに参画。
馬との非言語コミュニケーションを軸に宿泊企画を展開し、企業管理職向けリーダーシップ研修などを手がける。その後、遠野の美しい森をどのように次世代へ繋いでいくかを考え、森と死をテーマにした財団ハヤチネンダを2019年に設立。東京と岩手を行き来する毎日。猫と馬が好き。
開催概要・参加費など
岩手県遠野市附馬牛町上附馬牛14-122 荒川駒形神社参道南入ル https://qmch.jp
日程:2022年5月26日(木)~5月29日(日) 3泊4日
滞在先:クイーンズメドウ・カントリーハウス
募集人数:6名
参加対象者:リジェネラティブな在り方や関係性に興味のある個人・ビジネスリーダー
参加料金(税込)
・参加費:12.6万円
・宿泊費(食費・現地移動費込):約5.5万円(現地精算)]
※参加費にはプログラム料金、各種プログラムマテリアルおよび資料代、現地スタッフのアテンド代などが含まれます
※宿泊は同性との2名1室となります(感染症対策のため事前にPCR/抗原検査を受けてきて頂きます)
※コロナの状況等を受けて止むを得ないと判断した場合は開催を見合わせる可能性があります
※学生の方などやむを得ない経済状況により奨学価格での参加をご希望の方は相談ください
感染症対策について
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、会場とも連携の上、事前のPCR/抗原検査・検温・会場換気など対策いたしますが、体調などご不安がある方はご参加をご遠慮ください。また、状況によってやむを得ずプログラムの開催を見合わせる場合があります。
こんな方のご参加をお待ちしています
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クイーンズメドウや馬たちとの関わり、リジェネラティブ・リーダーシップに興味がある…
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自分にとってのリジェネラティブな在り方やいのちのつながりを探究してみたい…
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今の暮らしや仕事のやり方に、自分が本当は大切にしたいリズムとのズレや不調和を感じている…
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従来型の組織マネジメントや機械論的なアプローチ、関係性に限界を感じている…
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サステイナビリティやサーキュラーエコノミーなど持続可能な社会やビジネスの推進に向けて、リーダーシップの根本的な発想や在り方から向き合ってみたい…
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いのちの流れを感じながら、自分自身や事業を取り巻く環境、組織との関係性に静かに向き合ってみたい…
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よくわからないけれど、直観的にピンときてしまった...
これまでのものの見方を手放し、新たな世界への一歩を踏み出していきたい方のご参加をお待ちしています
※申込多数の場合は、想いや実践意欲の強い方を優先させていただきます
過去参加者の声
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今回の滞在は、僕にとって「関わりの転換」になりました。
馬たちとの関わりや山下げでのエリアナとの関係性の変化、クイーンズ・メドウの皆さんや参加者の皆さんとの対話によって、人や動物だけでなくモノや自然との関わり方や態度の変容があったように感じます。一度、今までの関わり方が崩れるところから、少しずつ再構築・編集され、それが対話によって言語化されていくといったプロセスを経て、明らかに今までの感覚とは違う「関わり」が立ち現れました(経営者・男性)
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大地との繋がりを取り戻す体験。忙しなく過ぎていく日々の中で感じてきた違和感(おそらくこれが分断なのだと思います)を馬との繋がり、自然や大地との繋がりによって埋め戻すことができた気がしています。遠野の地に存在する歴史や人・たべものに触れ、自身の人生のなかで大切にしたいものが明確に現れてきた感覚がします(会社員・女性)
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良い意味で居心地の悪い、自身の世界観の拡張を、静かに誘われた体験だった。他の参加者のみなさん、現地の方々、そして馬たちとの交流の中から、確実に知り得るものを追い求める陰に、切り捨てられがちな感情や共感の世界が、異なる形でありながらも、またたしかに存在するものであるかを教えていただいたように思った(フリーランス・男性)
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自分の縛られていた観念に気づけて手放せた旅路だったように思います。馬たちとともにいて、彼らなりの合理性や環世界があることを知りました。それらを尊重しつつもこちらの意志を示すこと。力で強制するのではなく、意志が重なってベクトルが同じ方向を向いたときに、ゼロの身体で動けているような感覚がありました。それは、馬との関わりに限らず、人間同士のコミュニケーションでも同じだなと思い、まずは相手の合理性や感じていることに耳を傾けたいと思いました。人間と馬同士の「持ちつ持たれつ」の関係性やあり方を学ばさせていただきました(学生・女性)
馬の<野生>との出会い方は原理的にはシンプルですが、実際には、人の心に強固に備わる優位性や支配性をベースにした先入観が邪魔をして最初はとても困難です。そして人より劣ると決めた馬に対して、意図を持ち指図をしようとします。
けれども優位性と支配性に基づいたその意図は、馬の野生の力を削いでしまうと同時に自らの野生の力を消してしまうエゴにほかなりません。いまだ野生を失っていない幼子のような純真さと油断のなさで馬たちの群れに入っていくこと。そうやって初めて馬の<野生>との対話が可能な時間と空間が現れると思うのです。
(クイーンズメドウ・徳吉英一郎 氏)
すべての動物たちが共有している言葉と詩的な感性の世界を探索する旅をおこなうにあたって、私は、かつての人間が自らを自然の一部以外の何者でもないと認識していたころには確かに持っていたはずの、ほかの動物との共有している地盤を再発見しようとしています。
(写真家・Gregory Colbert氏)
法人向けの開催については下記よりお問い合わせ下さい
info@ecologicalmemes.me
Organized by
【一般社団法人 Ecological Memesについて】
Ecological Memesは、人と自然の関係の再生成をテーマに様々な学際領域を横断する探究者・実践者が集い群れていく共異体として活動。人が他の生命や地球環境と共に繁栄していくリジェネレーションの時代に向け、個人の生き方や暮らし、ビジネスの在り方、社会実装の方法論を探究・実践している。
https://www.ecologicalmemes.me/
【一般財団法人 ハヤチネンダについて】
ハヤチネンダは、2019年に、遠野市附馬牛町の森の一部を寄付されたことから始まった活動体。多様な命が息づく美しい広葉樹の森を、人が関わることで繋いでいく中で、森と人、人と人とが緩やかに繋がりあい、新しい故郷や同郷者として関係を紡いでいくことを目指す。オンラインにて現代を生きる私たちの死生観について学び合う場づくりや、岩手での森の手入れ企画を定期的に開催しながら、森に溶けていく命や経済の在り方について研究中。
https://hayachinenda.org